2020年夏の東京五輪開幕まであと10か月を切りました。

10月17日になり突然、IOCで東京五輪のマラソン・競歩の開催地を東京から札幌開催に移す案があると言う旨の報道が各メディアで一斉に行われました。



今回の変更案には賛否や困惑など、様々な声が飛び交っています。

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(2018年11月14日:北海道札幌市中央区大通公園付近にて撮影)

北海道、実は最近の夏は暑いです。

突然、今回の開催地変更案が出た理由としては、年々厳しさを増す猛暑対策のためとのこと。
IOCはこの案の実行に強い意志を示しており、マラソンと競歩は札幌開催で決定的とも言われています。

東京よりも北海道の方が確かに気温が低いですが、暑くならないわけではありません。
今夏は札幌でも7月31日~8月5日まで6日連続真夏日と言う期間がありました。
3日連続熱帯夜というのもこの期間内にありました。

また札幌ではありませんが、5月26日には佐呂間町で39.5度という、5月としては国内観測史上最高のとんでもない暑さを記録しています。
地球温暖化の影響か気候の極端化が進む日本。
北海道だからと言って決して侮れません。

IOCの鶴の一声でマラソンの開催地の変更が決定的になったことで、マラソン以外、特に屋外競技の開催地に影響する可能性も考えられます。
販売済みのチケットの対応や選手宿舎、開催地変更にかかる経費の問題など、今後の混乱は必須でしょう。

五輪本番まで300日を切ったこのタイミングでの開催地変更。まさに前代未聞の事態です。

2013年4月、複数の候補から2020年夏の五輪開催地として東京を選んだIOCにも責任があります。
今回の変更でかかる諸経費はIOCが責任を持ち、全て負担するのが当然です。

それが出来ず、経費を日本に求めてくるようであれば、五輪返上、ボイコットも止む無しでしょう。

それから筆者からすれば、2020年東京五輪は、令和版「欲しがりません!勝つまでは」。

筆者はそもそも東京五輪には反対の立場です。
我々庶民には全くメリットが無く、デメリットだらけだからです。

筆者は五輪自体を否定するつもりはありません。
メダルを目指している選手や指導者には失礼な表現ですが、五輪は海外でやってもらいたいのが本音です。

まずは、あちらこちらで行われるであろう交通規制、渋滞、警備強化、高速道路の通行料値上げなどたくさん出て来ます。

例えばトラックの往来回数が多くなるなど道路渋滞の原因になるとして政府は五輪期間中、大手宅配会社に時間帯指定配達の中止を要請しているようですが、これも庶民からすれば我慢を強いられることになります。

あとは、2020年は東京五輪開催の裏で高校総体(インターハイ)が開催危機と言われています。
五輪による宿泊施設の高騰やバス運転手不足などが背景にあるようです。

現役の高校生や教員からすれば、東京五輪よりも生徒の進路にも関わってくるであろうインターハイの方がよほど重要でしょう。

高校野球でも夏の甲子園が例年より遅れたり、夏の甲子園に繋がる東西の東京大会と神奈川県大会で神宮球場と横浜スタジアムが五輪期間に重なり使用できないなどの影響が生じるようです。
プロ野球も五輪期間中は中断となります。

挙げればキリがありませんが、上述以外にもあらゆる所で"我慢"を強いられ犠牲が生まれることになります。
これは令和版「欲しがりません!勝つまでは」といっても過言ではありません。

IOCの鶴の一声で開催地が変えられるなら、いっそのこと中止にするか、開催国も変えてもらいたいという方、意外と多いのではないでしょうか。